【デシベルの定義】
デシベル(dB)とは、音の大きさの倍率を表す単位です。
デシベルのデシ(deci)とは、10分の1を表す接頭辞なので、
デシベルは、ベルの10分の1の単位になります。
x
を倍率、y をデシベルとすると、
y = 20log10x
と定義されます。
また、x =
10a とすると、y = 20a とすることもできます。
つまり、倍率を 10a
としたときの、指数である a の20倍の数値が、
デシベルの値になります。
【デシベルの倍率への換算】
下の表は、倍率とそれに対応したデシベルの数値を表したものです。
デシベルの値がマイナスであれば、倍率は逆数になります。
dB |
倍率 |
0 |
1 |
0.1 |
1.012 |
0.2 |
1.023 |
0.3 |
1.035 |
0.4 |
1.047 |
0.5 |
1.059 |
0.6 |
1.072 |
0.7 |
1.084 |
0.8 |
1.096 |
0.9 |
1.109 |
1 |
1.122 |
2 |
1.259 |
3 |
1.413 |
4 |
1.585 |
5 |
1.778 |
6 |
1.995 |
7 |
2.239 |
8 |
2.512 |
9 |
2.818 |
10 |
3.162 |
20 |
10 |
実際に、デシベルを倍率に換算すると、
例えば、7.4dB の場合は、(7+0.4)dB
と考え、
倍率は、(2.239*1.047)倍≒2.34倍 と計算します。
-7.4dB
であれば、倍率は逆数になり、1/2.34倍 となります。
同じように、56dB であれば、(20+20+10+6)dB
と考え、
倍率は、(10*10*3.162*1.995)倍≒631倍 と計算します。
-56dB であれば、1/631倍
となります。
デシベルは足し算、倍率は掛け算と憶えるとよいと思います
そして、デシベルの基本的な知識として、
以下のものを憶えておくと、何かと便利だと思います。
0dB =
1倍
3dB ≒ √2倍
6dB ≒ 2倍
10dB = √10倍
12dB ≒ 4倍
18dB ≒
8倍
20dB = 10倍
【実際の計算】
次のグラフは、Fostex
FE103Enのバックロードホーンの
シミュレーションによる周波数特性ですが、
このグラフの200Hzのピークと、140Hzのディップを例にして説明してみます。
先ず、平均出力を89dBとすると、
200Hzのピークは、96dBなので、平均出力とは7dBの差があります。
7dB=2.239倍
ですので、このピークの音圧は、
平均出力の約224%
ということになります。
そして、140Hzのディップは70dBなので、平均出力とは-19dBの差があります。
-19dB=-(10+9)dB=1/(3.162*2.818)倍≒1/8.9倍となり、
このディップの音圧は、平均出力の約11%
ということになります。
【人間の聴覚とdB】
大きな音のする場所でも、小さな音を認識しやすくするための機構だと
考えられますが、人間の聴覚は、音圧を平均化して聞く特性があり、
小さな音は実際より大きく、大きな音は実際より小さく聞こえます。
例えば、70dBの音と90dBの音は、物理的には10倍の音圧差がありますが、
人間の聴覚は、この大きな音圧差を脳内で処理して平均化することで、
主観的には、1:2
程度の音圧差として感じるようです。