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User's Voice No.7

Laulu-08II (スタンダード・タイプ)についてのご感想 - 東京都 K .Y . 様 から
2015-05-07

住宅事情からヘッドフォン専門でしたが、自分ならこういうスピーカーを作りたいなと空想しながらブラウジングしていたところblue*dropさんを知りました。

10年ほど昔はFOSTEXの8cmユニット6NFE88ESを使った点音源BLH(スーパーフラミンゴ)で音楽を聴いていました。当時は設置スペースに対してどれだけワイドレンジでパワフルに鳴らせるかという基準で選んでいました。あちらはBLH用のユニットらしくパワフルで、点音源の良さも活きていて楽しいスピーカーでしたが、高音側がパワフルすぎた感もありました(一生忘れないであろうほど好きな音でもあります)。

その頃、長岡式のスピーカーを聴き比べる機会があったのですが、同じく限定BLH用ユニットで作った 10cmのスーパースワンや16cm、20cmの前面開口型は驚くほどレンジが広く素晴らしかったものの、自室に置くには大きく重くパワフルすぎました(試聴中に近隣から苦情が来てしまいました)。

そんな経験もあって私が今自分で作るとしたら、信号波を聴いたり自室をクラブにしたいわけではないので、レンジを欲張るのではなく量感のバランスのとれた出音で、同じく8cmでもしっかり鳴らして丁度よい音量になるような低能率(比べてですが)ユニットで、ユニットにあわせて板厚も薄くして、バッフル面もあって、そして卓上におけるものにしたいと空想していました。

私が考えていたそんなことがすでに形になっていて(さらにさまざまな工夫が施されていて)、客観的なデータまでついていることに感激してblue*dropさんに反射的にお願いしてしまいました。

まずデータ通りの音を聴いてみたいということで、ユニットはW3-582SCを選びました。PCからDAC経由でデジタルアンプにつなぎ、スピーカーに出力しています。夜間は机上に置いて60cm程度のところで小音量で聴いていますが、休日にはセッティングを変えて6畳程度の部屋に音が満ちるような音量で聴いています。

打ち込みにコンプをかけまくったような音楽からマイク録音のものまでいろいろと聴いていますがどれも気持ちよく聴けています。その音楽が一番聞かせたい帯域の量感が得られていると感じました。口径からはやはり中高音が綺麗ですし、ベースの音も私がほしい量を出してくれます。大口径ユニットや2way、 3wayと比べればレンジは狭いのでしょうが、8cmユニット1つで低音から高音までどちらかが豊か過ぎたり乏しすぎたりすることなく、音量のバランスが綺麗にまとまっていると感じます。量感のバランスがとれているからかと思いますが、ヴァイブやマリンバの音が今までの装置で一番好みでした。視覚化する機器がないのが残念です。

存在を感じさせないところも気に入っています。ポートのチューニングと斜めカットのおかげかなと思っているのですが、Laulu-08IIは癖がなく音楽だけ気にしていられるので、リスニングポイントにいる自分が主役でリラックスして音楽鑑賞できています。

取り付けるユニットは、かつて聴いたFOSTEXユニットと同じく紙コーンの871SCや1319SAも気になっているのでいつか機会があれば交換してみたいです。blue*dropさんのレビューにもあるように硬めの音で低音側が物足りなくなりそうな気配もありますが、ユニットの交換がしやすく、自分でやってみるためのハードルを低くしてくれる作りはありがたいです。

引っ越して住環境が変わればまた別のスピーカーが最適なものになるのかもしれませんが、マンション住まいの小部屋で音楽を楽しむにはLaulu-08IIが最適だなと感じています。ヘッドフォンと聴く音楽はいっしょですが部屋の空気中に音を満たすのはやはり格別です。

レポートは以上です。今回、スピーカーを置こうと決めたところからなので入力側の機器もあらたにそろえたため、機器を統一してのスピーカー聴き比べになっておらず、申し訳ありません。必要な情報が足りているとよいのですが。手作りのものに対しての表現としては変ですが、非常に満足度の高い買い物ができたと思っています。ありがとうございました。

Korva のコメント

K.Y.様から、素晴らしいレポートをいただいたので、紹介させていただきました。

16cmや20cm用の大型バックロードホーンをお使いになっていたということで、
特に超低域の迫力などは、8cm用のLaulu-08II とは比べるべくもありませんが、
K.O.様のレポートからは、Laulu-08IIの設計思想と音が、K.O.様のニーズにマッチし、
気に入っていただけた様子が伝わってきて、製作者としては、とりあえず安堵しています。

8cmフルレンジ一発のコンパクトなシステムでも、
音楽の芯となる帯域に合わせて、上手くバランスをとれば、
音楽を聴く道具として十分 実用になりますし、
設置の自由度の高さや、音の軽やかさや纏まりのよさなどは、
大型で複雑なシステムに勝るメリットと言えるかもしれません。

私は最近、K.Y.様と同じく、W3-582SCを搭載したLaulu-08II をメインとして、
自作のサブ・ウーファーと、おまけ程度のスーパー・ツイーターを加えたシステムで、
音楽を聴くことが多いのですが、このシステムでは、
Laulu-08II のナチュラルでバランスの良い音に、
超低域と超高域が加わることで、8cmフルレンジにとって過酷な大音量を要求しなければ、
ほとんど不満を感じることのない、ワイドな周波数特性とナチュラルな音質を実現しています。

私は、Laulu-08II を主役に据えた、この超ワイド・システムを聴きながら、
大型のスピーカー・システムは、
音のクオリティーを追及した結果として大型になったのではなく、
大音量で再生する必要性から大型になったのではないか?
そして、むやみに大音量再生能力を求めなければ、
分割振動による歪みが少なく、トランジェント特性にも優れる小型システムの方が、
音のクオリティーを追求する上では、かえって有利なのではないか?
と感じることが間々あります。

もっとも、このような考え方は、長岡鉄男氏が昔から主張していたことで、
それは、K.Y.様がお使いになり、気に入っていらしたという、
スーパー・フラミンゴ(上図)の設計思想とも同じであり、
また、名機と言われるスーパー・スワンのそれとも同じですが、
今、Laulu-08II という、ちっぽけなバスレフ・システムをメインとして構成した、
超ワイド・システムで音楽を聴きながら、
彼の設計思想の正しさを、改めて感じている次第です。

ちなみに、スーパー・フラミンゴは、某K泉無線で聴いたことがありますが、
小口径の高能率フルレンジ・ドライバーらしい、音がスピーカーに張り付かない音離れの良さや、
点音源の良さが生かされて、どこから音が出ているのかが認識できないような
音場感の良さに、感銘を受けました。

Last Updated 2015-05-08



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