住宅事情からヘッドフォン専門でしたが、自分ならこういうスピーカーを作りたいなと空想しながらブラウジングしていたところblue*dropさんを知りました。
10年ほど昔はFOSTEXの8cmユニット6NFE88ESを使った点音源BLH(スーパーフラミンゴ)で音楽を聴いていました。当時は設置スペースに対してどれだけワイドレンジでパワフルに鳴らせるかという基準で選んでいました。あちらはBLH用のユニットらしくパワフルで、点音源の良さも活きていて楽しいスピーカーでしたが、高音側がパワフルすぎた感もありました(一生忘れないであろうほど好きな音でもあります)。
その頃、長岡式のスピーカーを聴き比べる機会があったのですが、同じく限定BLH用ユニットで作った
10cmのスーパースワンや16cm、20cmの前面開口型は驚くほどレンジが広く素晴らしかったものの、自室に置くには大きく重くパワフルすぎました(試聴中に近隣から苦情が来てしまいました)。
そんな経験もあって私が今自分で作るとしたら、信号波を聴いたり自室をクラブにしたいわけではないので、レンジを欲張るのではなく量感のバランスのとれた出音で、同じく8cmでもしっかり鳴らして丁度よい音量になるような低能率(比べてですが)ユニットで、ユニットにあわせて板厚も薄くして、バッフル面もあって、そして卓上におけるものにしたいと空想していました。
私が考えていたそんなことがすでに形になっていて(さらにさまざまな工夫が施されていて)、客観的なデータまでついていることに感激してblue*dropさんに反射的にお願いしてしまいました。
まずデータ通りの音を聴いてみたいということで、ユニットはW3-582SCを選びました。PCからDAC経由でデジタルアンプにつなぎ、スピーカーに出力しています。夜間は机上に置いて60cm程度のところで小音量で聴いていますが、休日にはセッティングを変えて6畳程度の部屋に音が満ちるような音量で聴いています。
打ち込みにコンプをかけまくったような音楽からマイク録音のものまでいろいろと聴いていますがどれも気持ちよく聴けています。その音楽が一番聞かせたい帯域の量感が得られていると感じました。口径からはやはり中高音が綺麗ですし、ベースの音も私がほしい量を出してくれます。大口径ユニットや2way、
3wayと比べればレンジは狭いのでしょうが、8cmユニット1つで低音から高音までどちらかが豊か過ぎたり乏しすぎたりすることなく、音量のバランスが綺麗にまとまっていると感じます。量感のバランスがとれているからかと思いますが、ヴァイブやマリンバの音が今までの装置で一番好みでした。視覚化する機器がないのが残念です。
存在を感じさせないところも気に入っています。ポートのチューニングと斜めカットのおかげかなと思っているのですが、Laulu-08IIは癖がなく音楽だけ気にしていられるので、リスニングポイントにいる自分が主役でリラックスして音楽鑑賞できています。
取り付けるユニットは、かつて聴いたFOSTEXユニットと同じく紙コーンの871SCや1319SAも気になっているのでいつか機会があれば交換してみたいです。blue*dropさんのレビューにもあるように硬めの音で低音側が物足りなくなりそうな気配もありますが、ユニットの交換がしやすく、自分でやってみるためのハードルを低くしてくれる作りはありがたいです。
引っ越して住環境が変わればまた別のスピーカーが最適なものになるのかもしれませんが、マンション住まいの小部屋で音楽を楽しむにはLaulu-08IIが最適だなと感じています。ヘッドフォンと聴く音楽はいっしょですが部屋の空気中に音を満たすのはやはり格別です。
レポートは以上です。今回、スピーカーを置こうと決めたところからなので入力側の機器もあらたにそろえたため、機器を統一してのスピーカー聴き比べになっておらず、申し訳ありません。必要な情報が足りているとよいのですが。手作りのものに対しての表現としては変ですが、非常に満足度の高い買い物ができたと思っています。ありがとうございました。