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User's Voice No.11

Korkea-SC08 についてのご感想 - 東京都 Y .H . 様 から
2017-05-15

[1] Korkea-SC08 視聴環境

* Korkea-SC08 の設置は、SPスタンド (w/黒檀セッティングベース) + 防振ゴム
 +大理石 (ビアンコカララC, 300x300x10mm) + インシュレータ(AT6099) 上です。
 SP Cable : STUDIO 7171EX (Belden) です。


[2] Korkea-SC08 設置と視聴感

5/6: Speaker の設置角度を少し広角にすることで、
低域の沈み込み感と臨場感(広がり感)がかなり改善され、
豊かな低域 (量感) に支えられて
各楽器が明瞭に展開される音場空間と鮮明な音像定位を得られた。
SPX-31M (Monacor) 評価中に気づき、
再度 SP Unit を W3-881SJF (TB) に戻して確認したが、同様の結果を確認できた。
低域に関しては両 SP Unit ほぼ同等か???、
中高域は SPX-31M が若干の硬質感を伴う活気とスピードに富む印象に対して、
W3-881SJF は混濁感のない澄み切った(中)高域を聞くことができる。

* 今回は設置角度の変更により、Tone control は 全て Flat (±0dB) で
 ほぼ満足に行く帯域バランスです。 後は楽曲によって好みです。

・30Hz:±0dB
・150Hz:±0dB
・500Hz:±0dB
・1.5KHz:±0dB
・10KHz:±0dB…..+2dB 程度でもいいか? 

* 左右SP間≒2.5m


[3] Korkea-SC08 視聴

#小型ブックシェルフSP では Amp の D.F の違いを感じていたが、
どの Amp で鳴らしても (無帰還Ampでも) その差を殆ど感じなくなったとも思うが、
どちらかと言うと無帰還の直熱管 (2A3や46) のほうが
低域にゆとりがあるように感じる。
これが D.F の差異かも?
SP との距離 (リスニングポイント): 2.5m〜3m 程度です。

@ 1950〜1960年代の Jazz  (Blue Note音源)
雰囲気の表現が非常に良い。
特にライブ感……空気感というか演奏空間の大きさを 想像できる鳴り方。
トランペットやサックスの音はかなりリアリティがあり、 少し尖った感じも受けるが
それが前後方向の空間(距離感)を演出しているように思える。

A 最近の Jazz (寺島レコード音源等)
中高域は反応が早く、粒立ちの良いスカッと抜けるような鮮度の高い音を味わえる。
さすが小口径だけあり音像定位もシャープで、低域も含め躍動的なハイレゾサウンド。
ピアノはにじみのないクリアなタッチが味わえるし、
(ウッド) ベースや キックドラム は8cm口径とは思えない低音感と言える。
ある程度 Power をかけるほうが勿論いいが、
小音量再生でも音が痩せる傾向は殆ど無い。
深夜に音楽を聴くことが多いので Welcome !
私のような4.5〜6畳Audio、所謂ニアフィールド(環境) には大きなメリットと考える。
* Audio Accessory 164号付録の “大橋祐子トリオ” ….なかなかの迫力でした。

B JPOP、フラメンコギター、バイオリン等
ボーカル(竹内まりや、サラ・オレイン、MAYA)は透明感のあるきれいな音という印象。
ギター(バハグニ)、バイオリン(寺井尚子)は少し柔らかを伴った広がりのある美音。
低音域が改善されたことで音楽性が増した。

C フォークソング (井上陽水、吉田拓郎など)
自然!….という印象。
若いころに相当聞いていた(ライブにも行った)ので、
記憶に刻み込まれている楽曲です。
SP の評価ではありませんが、やはり当時と同じ
M44G (Shure) のカートリッジで聞くLPがベストマッチ。。。でしょうか。

D ロック (エリック・クラプトン、キングクリムゾン、ピンクフロイドなど)
スケール感は多少?小さくてもプログレッシブ・ロックの重厚感を
十分表現できているし、バランスも良い。
音量を上げて聞きたくなるが、低域に若干の混濁感を感じるソースもある。
クラプトンのひしゃがれた渋い声が明確な定位を持って鮮明に描写できていると思う。
「 Unplugged 」 はライブ感含めて絶品。

E クラシック
あまり造詣のない分野ですので。。。こんなものか?程度の感想です。
ただ、オーケストラ のダイナミック・レンジという意味では十分に表現できていると思うし、
木管/金管/弦楽器などそれぞれが混濁することなく明瞭に聞き取れる。
室内楽のバイオリンやピアノソロは刺々しさのない伸びやかなサウンドと感じる。
*** クラシックのソースは全て SHM-CD (or HQCD) の Compilation です。


[4] 視聴用アンプ

@ EL34 (6CA7)_ 3結: 5W + 5W (PK帰還Type)


A 46 (無帰還) : 1.7W + 1.7W


[5] 最後に、

#8cm Full Range という領域は初めてのトライアルですが、
かなり満足のいく結果でした。
何といっても Cost Performance です。
特に専用のAudio Room を持てない一般のAudio Listener には
選択肢のひとつとして推奨できる製品ではないかと考えます。
また開口部が横向き(内向き)ということ も設置上、
壁面(対後面)との距離に神経質にならなくてよい気がします。
SPX-31M もせっかく購入したので、もっとエージングして聞き直そうと思っています。
以上、最終 Report (for Korkea-SC08 + W3-881SJF) とさせて戴きます。

#追記 (視聴Amp について)

@ は1960年代に Marantz 8B というModel に使われていた
有名な出力管 (EL34) の Single Amp です。
Original 管はテレフンケン(独)ですが高価で手がでませんので
現行生産品(中国製やロシア製)を使っています。
KT66 (右写真、復刻版)という真空管も
差し替えて使えるよう設計しています。
KT66 は英国Quad社のAmpに使用された著名な真空管(GEC)です。

A は直熱管:46の無帰還 Single Amp です。
4極管構造を持つ “45(有名な3極直熱管)” と言われています。
ファインメットコア材を使用した出力Trans を使い、
出力は小さいながらも 我が家のReference機との位置づけです。


Korva のコメント

Y.H.様から、Korkea-SC08 についての、
非常に詳細で素晴らしいレポートを頂いたので、
紹介させていただきます。

頂いたレポートは、モニター価格の割引額に見合わないような、
非常に詳細なもので、大変 恐縮し感謝しております。

Y.H.様の非常に充実したオーディオ環境で、
素敵な真空管アンプ達に鳴らしてもらえる Korkea-SC08 は果報者だと思います。
真空管アンプは、見ているだけでも目の保養になりますし、
真空管アンプの回路図を眺めて、あれこれ考えるのも楽しいですね。
私も、真空管オーディオに対する憧れが強いのですが、
スピーカー開発に多く投資しなければならない都合もあり、
高価な真空管アンプには、なかなか手を出せません。

少し前に、FX-AUDIO TUBE-01J という真空管ライン・アンプを入手して、
なんちゃって真空管オーディオを楽しんでいますが、
やはり、真空管を使うと、音に艶やかさが加わり、より魅力的な音色になると感じます。
そして、我田引水ですが、BLH エンクロージャーも構造的に、
真空管のように倍音を増やすのに似た、美音効果のようなものがあるように思いますが、
デュアルBLH では その効果が、より微細で自然になっていると感じます。

もともと、Korkea-SC08 は汎用エンクロージャーではありますが、
私の経験から、デュアルBLH は、普通のシングルBLH と比べると、
ユニットの特性の違いに対する許容量が大きいように感じます。
Tang Band W3-881SJF  でも Monacor SPX-31M でも、
Korkea-SC08 は問題のない鳴り方だったようで安心いたしました。
ちなみに、Monacor のユニットは非常に興味がありますが、
今のところ、残念ながら使ったことがありません。
機会があれば使ってみたいと思います。

ブックシェルフSP では感じた DF の差を、
Korkea-SC08 では感じなかったというのは、少し気になりましたが、
BLH 、特にデュアルBLH は、低域の再生において空気バネが関わる部分が多いので、
帯域を広く取れるというメリットがある代わりに、空気バネの複雑な挙動によって、
いくらか、大らかさの様なものが出てしまうのかな、とも感じました。

スピーカーの肝である「ボーカル」の再生については、
デュアルBLH は、シングルBLH より優れていると感じますが、
全てのジャンルのボーカル再生において、高いご評価をいただけたことに、
ほっと胸をなでおろしています。

「空気感というか演奏空間の大きさを 想像できる鳴り方」
というのは、BLH の面白い特徴ではないかなと、私も思います。
点音源が一つの理想であるのは、間違いないと思いますが、
点音源タイプのスピーカーは、好みにもよりますが、
いかにも再生音的な、人工的な鳴り方をするのに対して、
BLH など、点音源から離れたシステムは、ライブ感の様なものがあり、
包み込むような自然な音場を形成するように感じます。

クラシックの再生以外は、概ねご満足いただけたようで、安心いたしました。
クラシックでも、小さな編成のものでは、特に問題ないと思いますが、
いくら エンクロージャーを巨大にしても、やはり、
8cmユニット では、エンクロージャーに対する駆動力に限界があるので、
編成の大きなオーケストラなどの再生は少し難しいと、私も感じます。
そして、BLH は、どちらかと言うと、
クラシック よりは、ジャズやポップス向けのシステムだと、よく言われますが、
Y.H.様のレポートからも、そのような印象を少し受けました。

そして、自分でも、かなり意外だったのが、
コスト・パフォーマンスについて、ご評価いただいたことを、
非常に嬉しく感じたことです。
日本国内で材料を調達すると、その費用だけで、
例えば、中国製の完成品の価格を超えたりするので、
ほとんど利益が出ないような価格設定にしても、
外国の製品に対して価格競争力がないことに、
内心は、忸怩たるものがあるのだろうと思います。

最後に、詳細で素敵なレポートをいただけたことに対して、
改めて深く感謝いたします <(_ _)>

Updated 2017-07-25



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