blue*drop
Home > Products > Users' Voices > No.1
User's Voice No.1

Laulu-08II についてのご感想 - 埼玉県 K.S.様 から
2013-07-13

お送りいただいたLaulu-08II、早速週末に塗装をして音だしをしてみました。
ご推奨の透明ニスを2回塗りして、まあまあいい感じになりましたので、
外観はこれで一丁上がりとします。

まず試したのは、TangBand W3-1319SA。
ユニット交換の利便性のためにファストン端子を付けました。
音のためには半田付けが正解でしょうが、いろいろ試したいのでこの仕様でいきます。
バッフル埋め込みの雌ネジとユニットの取り付け穴がピタリと合います。
精度は完璧です。付属の鬼目ナットを閉め込む際も不安がありません。

スピーカーコードを繋いでいよいよ音だしです。
さてアンプを何にするか?素直で癖のないEL34プッシュプルとします。
プリはV-FET のシンプル回路ですが
低インピーダンスでパワーアンプを強力にドライブします。
CDプレーヤーはTEACのCD-P1260。
最低ラインの価格帯ですが、素直な音で愛用しております。
コード類はすべてBELDENの普及品。普通の値段で性能はまったく安定しています。

まずはジャズを聴いてみます。Halie Lorenの「青い影」。
いいです。硬さ声のつかえはまったくありません。
間近で触れる感じでしょうか。バックのピアノは水平方向に音が良く広がります。
ベースはきちっとしていて低弦の唸りもちゃんと聞き取れました。
キックドラムのドスンはさすがにふやけますが、
スネアやシンバルはその位置がちゃんと分かります。
極めてモニター的です。

次にクラシック。ピリスのモーツァルト「ピアノトリオ」を聴きます。
僕にとってのリファレンスの定番で、もう数百回は聞いているでしょうか。
どの小節をブラインドで抜き聴きしても
誰の演奏か完璧に分かるほど骨肉化しているディスクです。
7番の初楽章。闊達なリズムで始まりますが、
三者の技量のほどが正確に聞き取れました。
空間に響く甘〜いハーモニクスも再現できていました。
チェロの重心は若干上がりますが、音型と運指ははっきりと聞けました。

次にユニットをTangBand W3-315SEに替えてみます。
最近入手して手を焼いているユニットですが、今回の箱ではどうか?
機材とソースは同じものを使います。
まずはジャズ。ヴォーカルは色気たっぷりですが、どこか食い足りません。
バックの連中も眠い演奏で締りがありません。
そこでバッフル穴から入る程度の戸沢式レゾーネーターを入れてみることにしました。
薄手のハトロン紙でテトラパックをつくり早速挿入。
やはり音のキレに変化はありません。そこでさらにもうひとつ追加。
それでも傾向は変わらないようです。
振動板の音そのものが箱型スピーカーにはマッチしないのかも知れません。
クラシックでも同様で演奏も曲も甘々に聞こえ、評価の対象にはなりませんでした。

結論としてはいささか尚早ですが、
機敏でハイスピードなユニットとの相性がモニター的で楽しめる箱と思いました。


大型のタンノイも30数年使いましたが、数年前から8cmラヴァーに宗旨替えして、
そのタンノイも昨年友人宅に里子に出してしまいました。
貴工房製の箱は今の僕にとっては一番の大型になります。
最初の印象は「わっ、でかい!」でした。

アンプ作りも趣味としていますが、
震災以降省エネ志向でデジタルアンプを愛用することが増えました。
さすがにスィッチング電源では耳に合わず大容量のアナログ電源を製作しています。

写真後方に鎮座しているのは1920年代に製造された英国の蓄音機です。
ホーンの素材は紙でナマより生々しい鳴りかたをします。
現在の音のリファレンスとしています。
部屋は12畳ほどの書斎で書籍その他雑多なものが詰め込まれているので、
響きはほとんどありません。
直接音だけ耳に到達するようです。

それとW3-517SB。
通称毒キノコですが、かまぼこサウンドでほっこりとして気に入っています。
アンプはどんなものでもいい音がしますね。
いまはS.M.S.L SA-36で鳴らしていますが、不満がまったくありません。

CDPはカシオのポータブルが一番。
ベルト式の高級機もありますが、カシオには表現力で敵いません。
ポータブルは好きで7台ほど所有していますが
なぜか840円のカシオが抜きん出ていい音がします。
中身はどうもSONY製のようですが、他の3台のSONY機よりいいのです。
(現行機は×)乾電池はEVOLTAがベスト。
ACアダプターなら安定化電源付きがいいようです。
ホームセンターで格安で出ています。
僕はエクセルサウンド製をネットで買いました。
電圧切り替えと替えのプラグが複数付いていて便利です。

Korva のコメント

世界的に愛好者の多い "Sogaphon" の開発者の S様 から、
Laulu-08II について、ご感想をいただきましたので、紹介させていただきました。

Laulu-08II は、Tang Band W3-315SE とは相性が悪いようで、
上手く鳴らなかったようですが、それ以外のユニットでは、
悪くない結果ということで、製作者として胸をなでおろしています。

カシオのポータブルCDPのお話は、
プア・オーディオが好きな私としては、非常に興味深いです。
これは、ぜひ調べてみなくてはいけませんね。
関係のない話ですが、その昔、シャープのポケコンと共に、カシオのPB-100や、
カシオの(楽器の)キーボードを使っていて、
今も、AL-190W-1AJF という、個性的なソーラーウォッチを愛用しているので、
カシオには結構 思い入れが深いのです。

それと、S様からいただいたメールからの情報では、中華デジアンでも、
電源の設計次第では、真空管アンプと遜色ない音を得られるということで、
これについては研究してみたくなりました。

そんなことより、"Sogaphon"なのです。
この Sogaphon は、文化的な遺産ともいえる蓄音機に、再び命を吹き込み、
現代のソースを、蓄音機の名器の音で楽しめるようにする、素晴らしい技術です。
口金の部分が積層スプリング製なので、技術的に、S様でなければ製作できないようです。

詳細については、北関東蓄音機倶楽部 で ご覧になれます。
蓄音機に興味のない方でも、YouTube にアップされている動画を見れば、
その艶やかで生々しい音に感銘を受けるのではないでしょうか。
蓄音機が好きな方はもちろん、ホーンが好きな方は必見です。
ホーンは、存在自体が芸術とも言える美しさがあり、
見るにしても、聴くにしても、実に良いものです。

蓄音機と言えば、私の低レベルの話で恐縮ですが、
その昔、学研の雑誌「大人の科学」の
蓄音機が付録についた号を買ったことがあり、
この付録の蓄音機を改造したりして遊んでいました。

オリジナルのホーンの材質(黒く薄い紙)が頼りない感じだったので、
少し厚めの紙でホーンを作り、それにマホガニー色のニスを何度も塗り重ねて仕上げました。
見た目は美しく仕上げることができたのですが、
オリジナルのホーンより重量が増えたため、針に掛かる圧力も増してしまい、
付属の鉄針だと、レコードを削ってしまうという、悲惨な結果になってしまいました。
うかつにも、谷山浩子さんのLPを再生して、レコードが粉を噴きました・・・馬鹿ですね。
オリジナルの薄い紙は、針圧を考慮した結果だったわけですね。
レコードを削る鉄針の換わりに、竹針を自分で作って、
ハードオフ で安く買ってきたレコードを再生して楽しんでいたのですが、
かすかな振動を大音量に変換する蓄音機の仕組みには、非常に感銘を受けました。

今では、この付録の蓄音機は、例の有名な絵 "His Master's Voice" を真似て、
実家の方で、陶器のニッパーと共に、可愛いオブジェになっています。

Updated 2013-07-13



Back


inserted by FC2 system