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User's Voice No.3

Laulu-08II についてのご感想 - 群馬県 Y.S.様 から
2013-09-07

Laulu o811/Tang Band W3-1319SAシステムの試聴

台湾のメーカー、Tang Band、5cm-10cmの小口径のユニットを続々と発表、
いまや自作スピーカーオタクの絶大なる支持を得ており、
我が国が誇る、Fostexの牙城を脅かしつつあります。
実際Tang Band 8cmユニット(W3-1319SA)が
我が家のリファレンスであるJensen coaxial (12 inch)と互角の勝負。
Tang Bandの8cmユニットは
他にもW3-517SB(木製フェイズイコライザー付きペーパーコーン、能率87dB/m)、
W3-582SC(ポリプロピレンコーン、能率86dB/m)、
W3-1231SN(チタンコーン、能率88dB/m)、
W3-583SE(ペーパーコーン、87dB/m)、
W3-532QF(ポリプロピレンコーン、86dB/m)、
W3-315SE(アルミコーン、85dB/m)、
W3-881SJF(ポリプロピレンコーン、88dB/m)、
W3-1231SN(チタンコーン、88dB/m)と様々ありますが、
僕の耳にはW3-1319SA(竹繊維入りペーパーコーン、86dB/m)が
最もキレがよく聞こえるので、テストはもっぱらこのユニットを使って行いました。

ここで僕自身の経歴を紹介させて頂きます。
1955年生まれのアラ還オヤジ、
10歳からのラヂオ少年(昔はラヂオと書いたものです)で、
並三ラヂオ、高周波1段増幅付き(高1)ラヂオ、5球スーパーと進み、
15歳になると真空管アンプの製作をはじめ、今日に至るまで、
ラヂオとアンプビルダー歴48年になります。
また3歳から12歳までピアノ少年、
12歳からブラスバンドでトランペットと‘ホラ’を吹き始め、
15歳から突如ジャズに開眼、現在も現役のジャズマン(もちろん道楽)です。
また1981年、蓄音機の世界に迷い込み、SPレコードを蒐集しています。
音楽ジャンルはジャズは当然、クラシック(とくにバイオリン音楽と声楽)、
1920-30年代のタンゴ、1930-40年代のシャンソン、
果ては広沢虎造の浪曲、小唄勝太郎や市丸姐さん、平井英子の童謡、
青春時代のアイドル‘南沙織’EPコレクションと支離滅裂、
その異常さは僕のYou-tubeチャンネルを御覧いただければお分かりになるでしょう。
www.youtube.com/user/yuichis3010/videos

さて、前置きが長くなりましたが、
いよいよblue drop製Laulu-o811の実装試聴の開始です。
W3-1319SAユニットの装着、鬼目ナットなので、いたって簡単。

アンプビルダーなので、まずは自作アンプを使って試聴を始めました。
能率が86dBなので、少なくともパワーは最低5Wほしいもの。
ところが僕のアンプは直熱管シングルアンプがほとんどで、
かろうじて6V6 UL接続シングルアンプ(5W)、6BQ5プシュプルアンプ(8W)、
6EM7プシュプルアンプ(8W)、6CK4プシュプルアンプ(10W)が合格ライン。
ここで問題発生。
低能率ユニットを想定していないため、これらのアンプのゲインは5-10倍と低く、
パワーは十分であるものの、低ゲインのために音量が全く稼げないのです。
困った挙げ句、気がついたのは蓄音機の電気再生
(蓄音機のサウンドボックスに5cmユニットをとりつけて電気再生したSP盤、
復刻CDを蓄音機から再生するシステム)専用に使っていたデジタルアンプです。
チャイナ製Lepai LP2020は出力25W+25Wと十分でゲインも高く、
しかもトーンコントロール付きなので、とても便利。

最初はトーンコントロールOFFの状態での試聴。
吸音材はオリジナルのままですが、いきなりキレのいい音。
お得意の手法、戸澤式レゾネーターの出る幕はなし。
低音が濁らないのはエンクロージャーの巧みな設計によるものでしょう。
とくに背面が斜めにカットしてある形状が効いているのか、
ふつうのバスレフとは音の出方がまるで違います。
でもなにか物足りない。

そこでトーンコントロールを積極的に使用。
Trebleをややハイに、Bassをやや下げるとまるで別物のようになり始めました。
ぼくのリファレンスは蓄音機からでる、ストレートでリアルな音ですが、
電気再生、しかも8cmユニットからでる音とは信じがたい音です。
いや、むしろ8cmだからこそ出る音と言ったほうがいいかもしれません。
大口径ユニットのボコボコ低音とは全く別次元のキレのある低音です。
試聴風景はYou-tubeにアップしていますので御覧下さい。

パブロ・カサルスのバッハ無伴奏チェロ組曲、ヨゼフ・シゲティのバッハ無伴奏ソナタ、
Pat Moran Trio(ベースはかのScott LaFaro)です。
CDプレイヤーは15年前のSonyのDiskman ESP
(そんじょそこらのCDプレイヤーより腰のある音がします)、
アンプはLepai LP2020(アマゾンで2780円!)です。
また収録はSonyのハンディカムHDR-PJ590、外付けマイクECM-HST1)を使いました。
かなり原音に近い音が収録されています。

Part1 , Part2 , Part3

以上長々とリポートさせていただきましたが、
結論として、Laulu o811でTang Bandユニットを鳴らす限り、
トーンコントロール付きのデジタルアンプが最もいい選択かもしれません。
なにしろエンクロージャーとユニットが小型なので、
大げさなアンプとCDプレイヤーはアンバランスです。
またこのシステムを鳴らす限り、一般的にゲインの低い真空管アンプは不向きのようです。
またユニット取り付け穴が鬼目ナットなので、
Tang Bandの他のユニットと聞きくらべをするには格好のエンクロージャーです。
お遊びのネタが増えて困りました。


Korva のコメント

北関東蓄音機倶楽部のHP の管理人様でもいらっしゃるY.S.様から、
Laulu-08II について、素晴らしいレポートをいただきましたので、紹介させていただきました。
以前Laulu-08IIのレポートを下さいましたK.S.様とは、ご友人とのことで、
K.S.様の"Sogaphon"を命名されたのも、Y.S.様とのことです。

Laulu-08II は、真空管アンプではイマイチで、
中華デジアンでは上手く鳴ったという結果のようですね。
Laulu-08II の開発は、もっぱら中華デジアンを使って行ったので、
私自身、この結果には納得です。
真空管アンプには、やはり、高能率なスピーカーの方が良いでしょうし、
システムは適材が適所に就いていなければ、バランス取れないということですね。

S様は、TangBandの8cmフルレンジを全種類お持ちだとの事で(凄い!)、
Laulu-08IIがよい遊びのネタになれば、私としても幸甚の至りです。

トーンコントロールは、Trebleを少し上げ、Bassを少し絞ったときに、
好結果だったということですが、これには私も少し思い当たるところがあり、
Laulu-08II のバリエーションとして、ダクトのチューニング周波数を少し下げ、
低音の量感を少し控えめにしたタイプを開発してみました。
低音の量が多いと、解像度の乏しい音に聴こえるという現象もありますし。

わざわざ3本も、Laulu-08IIの動画を作っていただき、ありがとうございます。
感謝の気持ちで一杯です。
ご紹介いただいた3つの動画のLaulu-08II は、本当に活き活きと鳴っていますね^^
特にチェロ曲ではバックロードホーンのようなゴリゴリした低音で、
私の持っているW3-1319SAと同じものとは思えない、ダイナミックな鳴りっぷりです。
Tang Band は、しょっちゅうマイナーチェンジをしている様なので、
見た目は同じでも、どこか違うのかもしれませんし、
私の持っているW3-1319SAが、いわゆる「ハズレ」なのかもしれません。

動画でLaulu-08IIを駆動している、中華デジアンのLepai2020 には食指が動きますね。
アダプターの容量も、12V5Aと、S.M.S.Lのアンプより大きいですね。
その上、トーンコントロールまで付いて、3千円未満とは、うーむ・・・

それにしても、S様のYou Tube のチャンネルの動画数には圧倒されます。
そして、動画の数の多さだけではなく、その内容も、
こだわり無く、軽やかにオーディオを楽しんでいる様子が伝わってきて、素敵だなと感じます。
こだわるのも面白いですが、こだわりすぎると趣味が苦行になってしまいますから・・・

特に、このタジン鍋の蓋を型にして、紙粘土で作ったホーンの動画 なんかは、
音色も美しく、見ていると色々と創作意欲を刺激されます。
お馬鹿な実験がモットーとのことで、そういう自由な精神は私も見習いたいと思います。

Updated 2013-09-07



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